こんな笑い話があります。
ある男が死んだ後、別の世界に生まれ変わりました。
そこはすべてのものが美しく快楽に包まれた世界で、どんな願い事も瞬時にかなえてくれます。
男はたいそう喜び、夢のような日々を過ごしました。
ところがある日、すべてが自分の思い通りになる暮らしにすっかり飽きてしまいました。
そこで、その国の番人に、「何か自分の思い通りにならないことはできないか」と尋ねました。
番人は、「その願いだけはかなえられない」と答えました。
男は絶望したように「それではまるで地獄みたいじゃないか」と叫びました。
すると番人は「お前はここがどこだと思っているのか?ここは地獄だぞ」と言いました。
私たちの世界は思い通りにならないことが多くて悩みも尽きません。
でもすべてが思い通りになったらそれはそれで退屈です。
自分の思い通りに生きることを追い求め、願いがかなえば幸福な人生だと思っていますが、その実、地獄に向っているのかもしれません(笑)。
子どもたちには、たとえ思い通りにならないことがあっても、むしろそれを楽しむぐらいのたくましい力を培ってもらいたいです。