こんなお話があります。
悩みを抱えた人のところに仏さまからこんな手紙が届きました。
「私の家にあなたの悩みを全部預けられる袋があります」と。
その人は急いで仏さまの家に行きました。
すると入口には世界中から来た大勢の人たちが詰めかけ、中には無数の袋が並んでしました。
誰もが悩みを抱え、解放されたいと願っていたのです。
みんながそれぞれ空いている袋を一つ選んで自分の悩みを預け、すっきりした気持ちで帰ろうとすると、出口に大きな看板があって、こう書かれていました。
「あなたの悩みはこれで解決しました。そのかわりに、どの袋でもいいので、どれか一つ悩みをお持ち帰りください」と。
すると、みんなは一斉に自分の袋に駆け戻り、自分の悩みを持ち帰りました。
同じ悩みなら今まで慣れ親しんできたもののほうがいいと、みんなが思ったからです。
それからというもの、みんなは自分の悩みにそれほど苦しめられなくなったそうです。
人は誰しも悩みを抱えています。
子どもだってそうかもしれません。
その悩みから逃げるのではなく、引き受ける力を育てられたらいいと思います。