フランスにこんな寓話があります。
少年が森で遊んでいると、不思議な老婆から金色の糸が垂れ下がった毬もらいました。
それは魔法の糸で、その糸をひっぱった分だけ時間が先に進むのだそうです。
でも一度ひっぱった糸は決してもとには戻せないといいます。
少年はその珍しい贈り物を大喜びで受け取り、何か嫌なことや苦しいことがあったり、楽しみで待ちきれないことがあったりすると、そのたびに糸を引っ張って、自分が求めているものばかりをめがけて先を急ぐかのように過ごしていました。
ところが、そうこうしているうちに気がつけば糸はあとわずかしか残っておらず、少年は老人に成り果てて余命あと僅かになってしまいました。その時になってようやく自分が人生を台無しにしてしまったと後悔していると、ハッと目が覚めて、すべてが夢だったことに気づきました。
それからというもの、少年はどんな出来事があっても、それが人生のかけがえのない宝物であると悟りました。
さあ、今日という一日を大切に過ごしましょう。