山田洋二監督の「十五才 学校Ⅳ」という映画があります。
その中に登場する引きこもりの青年がつくった「浪人の詩」という詩がとても素晴らしいので紹介します。
草原のど真ん中の一本道を
あてもなく浪人が歩いている
ほとんどの奴が馬に乗っても
浪人は歩いて草原を突っ切る
早く着くことなんか目的じゃないんだ
雲より遅くてじゅうぶんさ
この星が浪人にくれるものを
見落としたくないんだ
葉っぱに残る朝露
流れる雲
小鳥の小さなつぶやきを
聞きのがしたくない
だから浪人は立ち止まる
そしてまた歩きはじめる
私たちが今生きている社会は目まぐるしく変化していますが、その中でいつしか立ち止まるゆとりを失ってしまっているように思います。
あまり先を急がず、一歩一歩、人生の道をゆっくり味わったほうが、一見無駄に思える些細なところに実はとても大切なものが見つかるのかもしれません。
いよいよ3学期も終わりに近づいていますが、子どもたちには、歩いたり立ち止まったりしながら一日一日をゆっくり過ごしてもらいたいです。