園長ブログ

一番伝えたいこと

こんな寓話があります。
ある時、カバが悲しそうな顔をして神様にこう尋ねました。
「神様、なんで私をこんなふうに創ったのですか?このひどい皮膚はすぐに乾燥して、しょっちゅう水に入らないと我慢できません。でも草や植物を食べるには陸に上がらなければなりません」と。

神様は答えました。
「あなたは知らなくても、あなたの役目があるのです。水の中でおしりを振ってうんちをすると、お腹を空かせた魚たちがそれを食べるのです。そうやってあなたは他の生き物の命を支えているのですよ」と。

私たちも生きていると、時には自分なんて惨めな存在だと思うことがあります。
でも、それはこのカバのように自分が本来担っている尊い役目に気がついていないだけなのではないでしょうか。本当は、どんな人もどんな存在も、それぞれの役目をもっていて、自分のできることをして知らず知らずにお互いを支え合っているのだと思います。

先行きの見えない不安な世の中ですが、いかなる時も自分が存在する価値(もちろん他者が存在する価値も)を忘れずに生きていけば、人生なんとかなるものです。
突き詰めれば、子どもたちに伝えたいのはそのことだけかもしれません。